名工として知られる初代武腰泰山を祖父として、能美市寺井町に生まれた武腰潤さんは、九谷焼色絵磁器の第一人者として活躍されています。その活躍の場は、国内にとどまらず、ニューヨークやロンドンなど、世界中で偉大な芸術作品として極めて高い評価を得ています。
その作品の特徴は、「タタラ」と呼ばれる造形技術を用いて素地を立ちあげていることがまず挙げられます。轆轤で造形されるのとは違った、造形の美がそこに凝縮されています。また、その力強い呉須の線描は鴇や川蝉、山蝉といった先生のモチーフに、まるでいまにも動き出しそうな生命力を感じさせます。
鴇の青、川蝉のトルコブルー、そして牡丹の紫。その奥深さは見るものを魅了してやみません。